ありでいず 高齢者の睡眠

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こんにちは、ありでいず管理者です。今日は睡眠についてです。

 

 睡眠不足になると、さまざまな心身の不調や病気を引き起こす可能性が高まります。健康寿命を延ばし、充実した毎日を過ごすためには「良い睡眠」が不可欠です。しかし、実際には日々の睡眠時間が短い人や、夜中に何度も目が覚めてしまう人も多いです。また、一般的に年齢を重ねるにつれて睡眠の質が下がる傾向にあり、ライフスタイルの変化などにより、不眠症などの睡眠障害にかかるリスクが高まると言われています。そこで、睡眠不足が体に及ぼす影響を確認しつつ、質の良い睡眠を得るにはどうしたらいいか、そのポイントを見ていきたいと思います。

 

 

60歳以上の人は夜中に目が覚めやすい

 総務省の調査によると、1週間における45~59歳の平均睡眠時間は7時間14分と最も短く、60歳以降は加齢とともに徐々に睡眠時間が長くなる傾向があります。

 一方、「睡眠に関する不満」についてのアンケート調査では、40代以降、「眠りが浅い」と回答した人は、年齢が上がるほど減る傾向にあるものの、「何度か目が覚める」(40代12.4%・50代15.6%・60代18.6%・70代以上18.2%)と回答した人は逆に増加している。さらに、60代以降になると「トイレが近い」(60代17.4%・70代以上32.6%)という回答が多くなります。つまり、60代以上では「眠りが浅くなった」という自覚はないが、夜中に何度も起きてしまう人が多いようです。

では、どうして年齢を重ねると夜中に何度も起きてしまうのでしょうか。

 睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。「レム睡眠」は眠りの浅い段階で、脳波は起きているときに近い状態を示します。これに対して「ノンレム睡眠」は眠りが深く、脳の活動も低下している状態を示します。さらに、「ノンレム睡眠」は第1~4段階に分けられ、第4段階に近づくほど眠りが深くなり、第3・4段階が熟睡している状態です。

 一般的な成人の場合、眠りにつくとすぐに「ノンレム睡眠」に入り、第1段階から徐々に第4段階へと移行します。約1時間半後に「レム睡眠」に入り、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」をおよそ1時間半ごとにくり返します。そして、目覚めが近づくと「レム睡眠」が増えていきます。しかし高齢者になると、熟睡状態である第3・4段階がほとんどなく、眠りの浅い1・2段階が増え、しかも頻繁に覚醒段階になると言われています。

 つまり、年齢を重ねるほど眠りが浅く覚醒段階になる頻度が高まるため、尿意を感じたり、小さな物音がしたりしただけでも、すぐに目が覚めてしまうと考えられています。

 

睡眠不足で生活習慣病のリスクが上がる

 慢性的な睡眠不足に陥ると、日中に眠くなるほか、意欲が低下したり、記憶力が衰えたりするといった精神機能の低下を招きやすくなります。また、睡眠不足はホルモンの分泌や自律神経機能にも影響を及ぼし、4時間の睡眠が2日間続くだけで、食欲を抑えるホルモンの分泌が減り、食欲を高めるホルモンの分泌が増えて食欲が増すことがわかっています。こうした生活が続くと、肥満につながるでしょう。さらに、慢性的な睡眠不足や、不眠症などの睡眠障害は、糖尿病や心臓病、高血圧といった生活習慣病のリスクを高めることも判明しています。

 また、60代以降になると、定年退職や家族構成の変化などによって生活リズムが変わる人も多くなります。こうした生活の変化から心理的ストレスが生じ、睡眠に悪影響を及ぼすとも言われています。健康的なセカンドライフを送るためには、これまでよりも「睡眠不足」に対する意識を持つことが大切になります。

 

質の良い睡眠をとる方法は?

 加齢とともに眠りが浅くなったり、夜中に目が覚める回数が増えたりするなかで、睡眠の質を上げるためには、生活習慣の見直しがポイントとなります。具体的にどのような習慣を心がけたらいいのかを見ていきます。

・規則正しい生活を心掛ける

人には体内時計があり、ホルモンの分泌や体の機能、生理的な活動などを調節しています。ただ、体内時計は自分の意志ではコントロールできず、規則正しい生活を送ることで整うものです。就寝や起床、食事などの時間をなるべく一定にすることで体内時計の乱れが改善され、スムーズに眠りにつくことができます。ただし、睡眠時間を長くしようと、眠くもないのに普段より早く布団に入っても、寝付きが悪くなるほか、夜中に目が覚める回数が増えることもあるので、無理に早く就寝するのは避けたほうがよさそうです。

・光を上手に活用する

 起床直後に日光を浴びることも、体内時計の調整につながる。そのため朝は目が覚めたらカーテンを開け、部屋に自然光を取り入れましょう。さらに、昼間に明るい光を浴びると睡眠と目覚めのリズムが整い、夜に分泌される催眠作用のあるホルモン「メラトニン」が増えます。逆に、夜に明るい光を長時間浴びると体内時計が乱れるため、明るすぎない落ち着いた暖色系の照明を使うのが理想的です。また、スマートフォンやパソコン、テレビを寝る直前まで見続けるのも控えたほうがいいでしょう。

・昼夜の生活にメリハリをつける

 退職などに伴い、年齢を重ねると家の中で過ごす時間が増えがちになります。しかし、昼はできるだけ活動的に、夜はゆったりと静かに過ごして昼夜の活動にメリハリをつけることが、安定した眠りにつながります。

・運動を習慣にする

 国内外の研究で、運動習慣のある人は不眠が少ないことが解明されています。そのため運動習慣をつけることで寝付きが良くなったり、眠りが深くなったりする効果が期待できます。ただ、激しい運動は眠りを妨げる原因になることもあるので、早足でのウォーキングや軽いランニングなどがおすすめです。

・短時間の昼寝を取り入れる

 15分程度の昼寝をすると、午後に眠気を感じにくくなって活力が得られます。65歳以上の人は、30分程度の昼寝をすることで夜は眠りにつきやすくなるケースもあります。

・入浴は就寝の2~3時間前に

 入浴で体を温めると、眠りにつきやすくなります。ただ、就寝直前の入浴は寝付きを悪くすることもあるため、床に就く2~3時間前までに入浴を済ませたほうがいいでしょう。半身浴も寝付きを良くするので、体調や好みに応じて入浴方法を選びましょう。

・就寝直前の食事やお酒、たばこは禁物

 就寝直前に食事をすると、消化活動によって睡眠が妨げられてしまいます。食事をしてから胃腸の働きが一段落するまでには3時間ほどかかるので、夕食は就寝の3時間前までには済ませたほうがいいでしょう。また、コーヒー、緑茶、チョコレートといったカフェインを含む飲食物やたばこのニコチンには覚醒作用があるため、就寝前は控えるのが無難です。アルコールも寝付きを良くする一方で、明け方の眠りを妨げるので、ほどほどにしましょう。

 

 人生100年と言われる時代。健康で豊かな毎日を過ごすためにも、これまでの生活習慣や寝室の環境を見直し、質の良い睡眠を手に入れましょう。

 

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